NEWS
2018/11/12 探索的分析を中心とした予測部門のチュートリアルを公開しました。
2018/11/12 よくある質問をFAQに整理しました。
2018/12/06 FAQに「アイデア部門」に関するよくある質問を追加しました。
2018/12/06 過去の入賞作品のリンクをわかりやすくしました。
コンテスト趣意
IoT/ビッグデータによる産業活性化を目的として、革新的なデータ分析事例・アイデアを広く公募します。
第4回のテーマは「インフラメンテナンス・鉄道」
鉄道や道路、上下水道、ガス、港湾といった社会インフラは、人々の快適な暮らしを支える重要な役割を果たしていますが、近年その老朽化や維持管理が大きな社会的な課題になっています。このような社会インフラの重要性をデータ分析という切り口で考えてみることが、第4回ビッグデータ分析コンテストのテーマです。
現在、IoT技術や人工知能、センシング、モニタリング技術が大きく進展しています。上述の社会インフラの維持管理の問題を解決する手段の一つとしても、これらの技術は大きく期待されています。今回のコンテストは、社会インフラの一つである鉄道に着目し、「予測部門」と「アイデア部門」で行います。なお、コンテストの参加は、個人、企業、団体を問いません。
コンテスト概要
「予測部門」と「アイデア部門」の2部門を開催します。いずれか1部門のみでの参加も可能です。ただし、「予測部門」においてレポートの提出は必須で、未提出の場合は精度賞においても評価の対象外となりますのでご注意ください(提出締切:1/10)。
部門 | 予測部門 | アイデア部門 | ||
課題 | 軌道の高低変位の推移の予測 | 鉄道をテーマにデータを活用した分析アイデア | ||
データ | 軌道検測データ 設備台帳データ | 独自に収集したデータ | ||
提出物 | 予測モデル + レポート | HTMLファイルやポスター等 | ||
懸賞 (予定) | 最高精度賞(1件) 賞金100万円+副賞※ | モデリング賞(2件) 1位:賞金50万円+副賞※ 2位:賞金30万円 | グッドアイデア賞(2件) 1位:賞金40万円 2位:賞金20万円 | |
評価 | 精度 | 精度上位 +レポートの審査 | 成果物の審査 |
※副賞は鉄道博物館のスペシャル体験や大型線路補修機械の操縦体験を予定しています。
予測部門
分析の対象とするのは、東日本旅客鉄道株式会社より提供された鉄道の軌道検測データです。軌道は、列車走行に伴って一定度の「ゆがみ」が生じるように設計されています。これは、鉄道の建設費用を抑えるために、供用開始後に一定度の維持管理(メンテナンス)を前提とした構造を採用しているからです(建設費用と維持管理費用を足したものが全体として小さくなるように考えている)。
この「ゆがみ」は「軌道変位」と呼ばれますが、軌道変位が大きくなると、列車の安全性や乗り心地に影響します。そのため、鉄道事業者は、軌道変位を定期的に測定し(軌道検測)、一定の補修目安値に達すると補修を行うといったメンテナンスを実施しています。
一方で、軌道の強度はその建設された時々の技術水準を反映していることや、場所ごとによって軌道変位の推移が大きく異なるため、場所ごとの劣化状態を良く把握して補修のタイミングを意思決定することが求められます。軌道検測は、今まで年4回実施することが限界でしたが、小型で高精度な検測装置である「線路設備モニタリング装置」が実用化され、高頻度に軌道検測ができるようになってきました(http://www.jreast.co.jp/press/2018/20180704.pdf)。
これにより、軌道変位の詳細な推移を把握し、劣化傾向の変化を早期に発見することができるようになりつつあります。また、過去の軌道検測データから将来の軌道変位を予測し、最適な時期に補修を行うことで、ライフサイクルコストを最小化する試みが始まっています。
本コンテストでは、これらのモニタリングデータを基に、将来の軌道変位の予測にチャレンジしていただきます。データの特徴や予測時の注意事項は「詳細セクション」をご覧ください。普段目にする機会の少ない産業界の実際の課題・データを対象に分析することにより、優秀なデータサイエンティストの発掘や優れた分析者の技術からの学びによる人材育成効果も合わせて期待します。
アイデア部門
重要な社会インフラである鉄道をテーマにデータを活用した分析アイデアを競う部門です。対象とするデータは公開されているデータを含めてどのようなものでも構いません。分析のテーマも鉄道に関連すればどのようなものを設定しても構いません。適用する分析手法も人工知能技術に限定せず、どのようなものを用いていただいても構いません。ただし、分析アイデアを第三者に理解してもらうために、「可視化」を上手く活用するなど分析結果の表示の仕方に注意を払う必要があります。それ以外は、自由な発想での分析を期待しています。提出物の詳細や参考事例は「詳細セクション」をご覧ください。