お知らせ

[2024/11/11] 本コンテストの入賞候補者一覧を入賞候補者タブに掲載いたしました。また、本コンテストへの多数のご応募を頂きありがとうございます。応募者の皆様に御礼を申し上げます。
[2024/10/14] スケートボーダー重心位置予測チャレンジのチーム結成期限について、スケジュールに記載の日付とズレがありましたため、10/16 23:59に延長いたします。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
[2024/10/02] トップページのイベント情報に表彰式・懇親会の情報を記載しました。
[2024/09/25] スケートボードトリック分類チャレンジのデータ①につきまして、投稿用サンプルファイルに不備が見つかりましたため、投稿用サンプルファイルの差し替えを行いました。(学習用データ等の配布データには変更はございません)この度はご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。また、既にデータ①にご投稿いただいた全投稿ファイルを再確認し、全て正しい被験者毎試行回数にてご投稿頂いていること確認いたしております。このため別途再投稿は不要である旨、ご承知おきいただけますと幸いです。
[2024/09/25] 各部門ページの応募の流れを更新しました。
[2024/09/12] ドメイン知識ページのコンテンツを更新しました。
[2024/09/09] トップページのタイトルと背景を更新しました。
[2024/09/05] スケートボーダー重心位置予測チャレンジの評価方法タブを更新しました。
[2024/08/23] FAQのコンテンツを更新しました。
[2024/08/21] ドメイン知識ページのコンテンツを更新しました。
[2024/08/09] 応募説明会兼チュートリアルセミナーの動画を公開しました。また、当日の投影資料のダウンロードリンクを共有します。
[2024/08/07] 各テーマの考察レポートの様式と審査ポイントの例を追加しました。詳細は各テーマページの概要・評価方法タブを参照ください。
[2024/08/01 18:55:00] スケートボードトリック分類チャレンジのデータ①及びデータ②につきまして、正解データに不備が見つかりましたため、正解データの差し替えを行いました。(学習用データ等の配布データには変更はございません。)これに伴い、既に投稿いただいた方の投稿履歴及び投稿回数はリセットさせていただきました。この度はご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
[2024/08/01] 応募説明会兼チュートリアルセミナーの参加申込URLを「イベント情報」に掲載しました。皆様奮ってご参加ください!
[2024/07/29] スケートボードトリック分類チャレンジ(データ①)の学習用データがダウンロード可能になりました。参加をご希望される方は今一度ご確認ください。

目的と趣意

本プログラムで題材とする脳波(EEG、Electroencephalogram)、筋電位(EMG、Electromyogram)などの生体信号は、ヒトの意図や動作と関係を持つ重要な要素であり、これらを解析することは身体能力のサポートや暗黙知の転移などの人間能力の補完・拡張につながる多様な可能性を有しています。一方で生体信号は、例えば運動時などの状態によってノイズを多く含んでおり、データの前処理や解析に際してさまざまな注意を払う必要があります。以上のことから生体信号は、昨今のデータ駆動社会において、データ処理スキルを高める観点で最適な題材であり、大きな波及効果が見込まれます。

今回は、実際のスケートボードランプ(走路)をスケートボードで走行中のスケーターから記録された生体信号を用いて、脳波や筋電位から姿勢や運動モードなどの動作に関わる挙動を予測する懸賞金型コンテストを実施します。

今回取り扱う生体信号については、①ウェアラブル脳波計を使って頭皮上から取得した生体信号そのものと、②取得した生体信号から測定器由来のノイズ等の生体信号に関連しない成分や、脳波以外の生体信号成分を可能な限りクレンジングしたデータ の両者を取り扱います。本コンテストにおいては、単に運動の予測精度だけを追求するのではなく、脳波や筋電位をどのようにデータ処理・データ分類するかも含めて、工夫やアイデアおよび処理前のデータとの比較によって得られる考察内容についても評価します。生体信号がどのように発生するのかを生理学的に理解し、生体信号はどのように計測されるのかを電磁気学的、計測工学的に理解する「ドメイン知識」の援用が重要なポイントになっています。

本チャレンジを通じて、脳・筋・骨格・道具や環境が相互に影響し合うことを学び、ヒトの複雑な全身運動制御機構の理解を深め、将来的には実環境ブレイン・マシンインターフェース(BMI)の実現や、類似の運動制御を必要とする人型ロボットの運動生成研究に資することなどを目指します。そうした将来像につなげていくために、まずは本事業をきっかけとしてさまざまな分野の学生の方々などを巻き込んだ、コミュニティ形成にもつなげていくことを目指します。

課題概要

「スケートボードトリック分類チャレンジ」と「スケートボーダー重心位置予測チャレンジ」の2部門を開催します。両部門への参加も可能です。詳細は各チャレンジページを参照ください。

部門 スケートボードトリック分類チャレンジ スケートボーダー重心位置予測チャレンジ
課題 運動時に頭皮上から記録された生体信号から運動パターンを解読する
運動時に下肢の皮膚表面から記録された生体信号から運動状態(位置、速度など)を解読する
データ 頭皮上の生体信号データ(72チャンネル)
重心(XYZ空間での速度)データ付きの下肢の皮膚表面から記録された生体信号データ(16チャンネル)
評価方法 分類性能と考察内容の総合評価 回帰精度による定量評価
懸賞 1位 100万円, 2位 50万円, 3位 25万円, 4位 15万円, 5位 10万円
1位 100万円, 2位 50万円, 3位 25万円, 4位 15万円, 5位 10万円
特に優れた手法と認められた方には「審査員特別賞」を授与する場合もあります
備考 個人参加でもチーム参加でも可


イメージ



応募の流れ

SIGNATEに会員登録の上、各チャレンジページのデータタブよりダウンロードしたデータを用いてモデルを開発し、投稿ボタンより予測結果を投稿いただきます。また、チャレンジの内容や投稿状況等に応じて、指定する提出物をご提出いただきます。(詳細は各チャレンジページ参照)


参加条件

  • コンテストの運営及び審査の関係者はご参加できません。
  • 外国籍の方は、日本在住の方をリーダーとしたチームでのご参加が条件となります(その他の参加条件はルール「参加条件詳細」、チーム参加についてはルール「システムの利用」参照)
  • 個人参加でもチーム参加でもお楽しみいただける内容となっております。個人・チーム関わらず是非ご参加ください。


留意事項

懸賞金について

入賞者には、「懸賞金額」と「申請したコスト」のいずれか低い額を支払います。(詳細はルール「懸賞金」参照)

個人情報について

予測結果を投稿いただいた方は、コンテストの終了日(予測結果の投稿締切)までに個人情報を提出いただきます(チーム参加の場合はメンバー全員がそれぞれ提出する必要があります)。収集の理由や利用目的、収集項目は参加規約をご確認ください。

オープンソースライセンスについて

入賞の条件として、提出物に対してオープンソースライセンスを付与することに同意いただきます。


イベント情報

表彰式 兼 懇親会を以下要領にて開催します。皆さま、ぜひご参加ください。

  • 日時:12/19(木)15:00-18:00
  • 開催方式:表彰式はオンライン・オンサイトのハイブリッド、懇親会はオンサイトのみ
  • 場所:赤坂インターシティコンファレンス
  • 備考:表彰式はオンライン・オンサイトのハイブリッド開催を予定しております。(オンサイトでのご参加につきましては、人数を制限させていただく場合がございます)
    上位入賞者による解法共有も予定しておりますので、ぜひ奮ってご参加ください。また、懇親会はオンサイトのみの開催となります。
  • その他詳細:別途お知らせいたします。


過去イベント情報


委員紹介

氏名 所属 役職
牛場潤一 慶應義塾大学 理工学部生命情報学科
教授
叶賀卓 国立研究開発法人産業技術総合研究所 人工知能研究センター デジタルヒューマン研究チーム
主任研究員
笹井俊太朗 株式会社アラヤ 研究開発部
取締役CRO 兼 研究開発部部長
南宇人 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 感覚共鳴研究グループ
研究主任

謝辞

本コンテストでは、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の多大なるご協力の元、データの整備や課題の設計を行いました。
参加の前提
  • コンテストで設定された目的を理解の上、ご参加ください。
  • チート行為やルールを無視した方法による参加は認められません。
  • 他者に対する誹謗中傷や公序良俗に反する行為を禁止します。
  • 事務局が悪質と判断したケースにおいては、入賞資格や会員資格の剥奪の可能性があることをを予めご了承のうえご参加ください。
  • 概要ページの参加資格・留意事項を満たさない参加者は、入賞対象外になりますこと予めご了承ください。

懸賞金
  • 入賞者には、「懸賞金額」と「申請したコスト」のいずれか低い額を支払います。
  • 投稿期間の終了後、入賞候補の方は、「申請したコスト」の提出が必要となります。(対象者は各チャレンジページ参照)
  • 「申請したコスト」には、「労務費」、「機械装置費」、「諸費」の金額を計上してください。それぞれの証憑や細目等は求めません。
  • 計上可能な期間は、成果のために活用していれば応募開始前に購入等した費用も計上可能です。
  • 申請コストが0円だった場合は、懸賞金支払額も0円となります。

システムの利用
  • 1人につき1アカウントのみ利用可能です。
  • チーム人数は最大で5人、2024/10/14(月)の23時59分59秒まで作成可能です。(チーム作成方法はこちら
  • スケートボードトリック分類チャレンジでは、データ①②それぞれでチームを作成する必要があります。必ず同じチームを作成して参加ください。
  • 外国籍の方は、日本在住の方をリーダーとしたチームにしてください。

情報の取り扱い
  • (コンテスト開催中)コード・学習済みモデル・データ分析結果のチーム外への共有を禁止します。ただし、全ての参加者が参照可能であるフォーラムでの開示は可能です。
  • (コンテスト終了後)「情報公開ポリシー」ページを参照ください。

ツールの利用
  • ツールや学習済みモデルの利用は、商業利用が可能で、オープンかつ無料なもの(python, tensorflow 等)に限定します。

データの利用
  • 本コンテスト開催にあたっては、生体信号特有のデータ取得の難しさ、プライバシー保護や被験者への同意、被験者への負担など様々なハードルを越えて取得した、少数ではあるものの貴重なデータを活用して開催に臨んでおります。このような背景から、無償かつ再現性を検証可能な方法であれば、提供データ以外のデータや、学習済モデルの利用は制限しません。例えば、Human connectome projectMULDS Dataset, Kaggleの生体信号関連コンペ(例1, 例2) 等の 非営利目的のデータセットも利用可能です。
  • 評価用データは、推論時にのみ利用可能です。学習への利用は禁止します。
  • スケートボーダー重心位置予測チャレンジでは、目的変数である重心位置データの学習・推論への利用を禁止します。

モデルの構築
  • コンテストで提供されたフォーマットによる新規データを入力した場合、自動で予測結果が出力されるモデルのみが評価対象となります。
  • 追加費用を伴わない(有償の外部API等を使用しない)環境下で提案した手法が再現可能な実装をお願いします。
  • GPUの使用を前提とした環境(Google Colab Pro等)での実装は可能です。

実装方法
  • 前処理、学習、予測、の3つにコードを分け実装してください。
    1. Preprocessing「前処理」
      提供データを読み込み、前処理を施し、モデルに入力が可能な状態に変換するモジュール。get_train_dataやget_test_dataのように、学習用と評価用を分けて、前処理を行う関数を定義。
    2. Learning「学習」
      1の出力を読み込み、モデルを学習し、学習済みモデルを出力するモジュール。学習済みモデルや特徴量、クロスバリデーションの評価結果を出力する関数等を定義。
    3. Predicting「予測」
      1で作成した評価要データ及び2で作成した学習済みモデルを読み込み、予測結果を出力するモジュール。

参加条件詳細
  1. 我が国に籍を有する者(法人、個人、グループ)が応募することとし、当該応募者が日本国内に本申請に係る主たる技術開発のための拠点を有していること。 ただし、国外の籍を有する者(企業、大学、研究機関を含む。)の特別な研究開発能力、研究施設等の活用又は国際標準獲得の観点から国外企業等との連携が必要な場合は、国外企業等との連携により応募することができることとする。国外企業等とのグループにより応募する場合は、我が国に籍を有する者を責任者として設置すること。
  2. 事業管理上、NEDOの必要とする措置を適切に遂行できること。
  3. NEDO「懸賞金の交付等に関する規程」第5条(応募者の暴力団排除に関する誓約) の事項(左記事項は下記(※1)参照)のいずれにも該当しないこと。
  4. 企画運営事業者(株式会社SIGNATE)、環境整備事業者(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)と利害関係(利害関係の範囲は下記(※2)参照)にないこと。
  5. 応募(成果提出)締切日時までに成果を提出すること。
  6. 成果提出とともに応募者自らが成果の創出に要したコスト及びその内訳(労務費、機械装置費、諸費)を申告すること(提出する成果は「国の競争的研究費(内閣府の「競争的研究費制度」に該当するもの)」のみで作製されたものではないこと)。
  7. 「補助金交付等停止措置」に該当中の者ではないこと。「補助金交付等停止措置」の該当者はNEDO HP内に掲載されている者とする。

※1:応募者の暴力団排除に関する誓約
一 法人等(個人、法人又は団体をいう。)が、暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2項に規定する暴力団をいう。以下同じ。)であるとき又は法人等の役員等(個人である場合はその者、法人である場合は役員、団体である場合は代表者、理事等、その他経営に実質的に関与している者をいう。以下同じ。)が暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)であるとき
二 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしているとき
三 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与しているとき
四 役員等が、暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれと社会的に非難されるべき関係を有しているとき

※2:利害関係者の範囲について
一 審査を受ける者の配偶者、四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族にある者
二 審査を受ける者と大学・研究機関において同一の学科・研究室等又は同一の企業に所属している者
三 審査を受ける者が提案する課題の中で研究分担者若しくは共同研究者となっている者又はその者に所属している者
四 審査を受ける者が提案する課題と直接的な競争関係にある者又はその者に所属している者
五 その他機構が利害関係者と判断した者

1. はじめに

本コンテストでは、筋電位(EMG)や脳波(EEG)などの生体情報の解析に取り組みます。このサイトでは、本コンテストに取り組むにあたり必須となる、筋電位や脳波等の生体情報の基礎的な知識について解説します。

2. 生体情報の定義

生体情報は、人間の体の働きを示すデータで、筋電位、脳波、呼吸データ、皮膚電気反応など、幅広いデータを含みます。ここでは、生体情報のうち、本コンテストで扱う筋電位および脳波について説明します。

2.1 筋電位とは

筋電位とは、筋肉が活動する際に発生する電気的な信号を測定するためのデータです。この信号は、筋肉が収縮する際に生じるものであり、筋肉の状態や動きを理解するための重要な情報源となります。筋電位は、筋肉の動作を電気的に捉えることができるため、リハビリテーション、スポーツ科学、神経学的研究など、さまざまな分野で利用されています。

筋電位を測定する方法には、主に2つの種類があります。一つは表面電極を使用する方法で、もう一つは針電極を使用する方法です。

表面電極は、皮膚の上に直接貼り付けるタイプの電極です。この方法は、手軽で針を挿入しない測定が可能であり、痛みを伴わないため、日常的な筋肉のモニタリングやスポーツの現場での使用に適しています。しかしながら、この方法にはいくつかの制約もあります。特に、隣接する筋肉の活動からの電気信号が混入することがあり、測定したい特定の筋肉の信号を正確に捉えるのが難しい場合があります。そのため、表面電極を用いる場合は、適切な場所に電極を配置し、できるだけノイズを排除する工夫が求められます。

針電極は、筋肉内部に直接針を挿入して電気信号を収集する方法です。この方法は、表面電極に比べて、特定の筋肉の活動をより詳細に、かつ正確に測定できる利点があります。そのため、医学的な診断や精密な筋電位の分析が求められる場面で広く用いられています。しかし、針電極の使用には注意が必要です。針を体内に挿入するため、患者に不快感や痛みを与える可能性があり、感染症のリスクも伴います。そのため、針電極を使用する際には、その必要性を慎重に判断し、十分な説明と同意を得た上で実施することが重要です。

このように、筋電位の測定は、目的や状況に応じて適切な方法を選択する必要があり、それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在します。筋電位の測定結果を正確に解釈するためには、これらの違いを理解し、測定環境や目的に応じた適切な手法を選ぶことが求められます。

2.2 脳波とは

脳波とは、脳内で行われる電気的な活動を測定するためのデータであり、特に脳の機能や状態をリアルタイムで把握するために用いられます。脳波の測定には、頭皮の表面に取り付けられた電極を使用し、その電極を通じてニューロンの活動によって生じる電位の変化を記録します。この方法は、針を挿入せず安全に脳の活動をモニタリングできるため、医療や研究の分野で広く使用されています。

脳波は、脳の特定の領域における神経活動を反映しており、その解析によって脳の状態や反応を詳細に理解することが可能です。例えば、脳波の周波数帯域に基づいて、デルタ波(0.5〜4 Hz、深い眠りの状態を示す)、シータ波(4〜8 Hz、軽い眠りや瞑想状態を示す)、アルファ波(8〜13 Hz、リラックスしている状態を示す)、ベータ波(13〜30 Hz、集中して活動している脳を示す)、ガンマ波(30 Hz以上、複雑な認知活動や高度な精神活動を示す)といった異なるタイプの脳波に分類されます。

これらの波形の解析により、睡眠の質、認知機能、ストレスレベル、意識の状態など、多様な脳の活動を評価することが可能です。このように、脳波の測定とその解析は、神経科学の分野だけでなく、臨床診断や脳機能の研究、さらにはブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)技術の発展にも重要な役割を果たしています。ブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)は、脳の信号を直接コンピュータや外部デバイスに伝える技術で、これにより脳の活動を用いて機器を制御することが可能です。

3. 生体情報のAI解析ステップ

3.1 データ収集と前処理

生体情報の活用において、データの前処理は解析結果の精度を大きく左右する重要なステップです。前処理を適切に行うことで、生体情報データの質が飛躍的に向上し、より正確かつ信頼性の高い解析が可能となります。特に、生体信号は多くのノイズやアーチファクトを含むため、これらを適切に処理しなければ、得られる解析結果に誤りが生じる可能性があります。そこで、前処理の代表的な手法として、ノイズの除去、アーチファクトの処理、そして信号のフィルタリングの3つの手法について説明します。

ノイズとは、生体信号に混じる不要な音や振動、さらには周囲環境や機器からの外部影響によって生じる不規則な信号を指します。ノイズの除去は、信号の精度を向上させるために非常に重要です。ノイズ除去の主な手法には、ハードウェアフィルタとソフトウェアフィルタがあります。ハードウェアフィルタは、測定機器に組み込まれているフィルタであり、特定の周波数帯域、たとえば高周波ノイズや電源周波数(50Hz/60Hz)などをデータの取得時に除去する手法です。一方、ソフトウェアフィルタは、取得されたデータに対して適用されるフィルタであり、より細かいノイズ除去や、特定のパターンを持つノイズのフィルタリングに優れているという特徴を持ちます。これにより、信号の品質が向上し、正確なデータ解析が可能となります。

アーチファクトとは、生体信号に含まれる不要な信号や誤差を指し、これらが解析結果に悪影響を与えることがあります。アーチファクトの処理方法にはさまざまなものがありますが、代表的な方法をいくつか紹介します。

  • 手動検出と除去:専門家が生体信号を視覚的に確認し、異常な部分を手動で除去する方法。精度は高いものの、時間がかかる点が課題
  • 自動検出と除去:アルゴリズムを用いてアーチファクトを自動的に検出し、除去する方法。独立成分分析(ICA)や主成分分析(PCA)といった手法を用いて、信号を構成する成分に分解し、アーチファクトを含む成分を特定して除去することが可能
  • リファレンス法:リファレンス信号(基準として用いる信号)を使ってアーチファクトを検出し、対応する部分を補正する方法
アーチファクト除去の方法については、参考資料により詳しく説明がありますので、ご参照ください。

信号のフィルタリングは、目的の信号成分を強調し、不必要な成分を取り除くためのプロセスです。フィルタリングには、さまざまな手法が存在します。例えば、ローパスフィルタは低周波成分を通過させるフィルタであり、ハイパスフィルタは逆に高周波成分を通過させるフィルタです。バンドパスフィルタは、特定の周波数帯域のみを通過させるフィルタであり、バンドストップフィルタは特定の周波数帯域を遮断するフィルタです。これらのフィルタリング手法を適切に選択し、組み合わせることで、解析に適した信号が得られます。

ノイズやアーチファクトの除去は非常に複雑であり、高度なフィルタリング技術や信号処理技術の開発が不可欠です。特に脳波のような微弱な生体信号は、外部ノイズの影響を受けやすいため、精密な前処理が求められます。データの適切な前処理により、生体情報の正確な解析と、様々な分野における応用が実現します。

3.2 機械学習モデルの構築

前処理された生体信号から、機械学習モデルを構築するために必要な特徴を抽出します。この特徴抽出の段階では、信号の時間領域や周波数領域における様々な特徴を詳細に解析し、モデルの性能を最大限に引き出すための重要な情報を抽出します。特に時間領域では、信号の振幅や変動パターンなどが重要な指標となり、周波数領域では、特定の周波数成分やその強度が重要視されます。

これらの特徴を元に、様々な機械学習モデルが構築されます。中でも、サポートベクターマシン(SVM)、決定木、ニューラルネットワークなどがよく使用されます。特に、近年ではディープラーニングの手法が注目されており、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)やリカレントニューラルネットワーク(RNN)などの高度なモデルが、生体信号の解析において高い性能を発揮しています。これらのモデルは、特に複雑なデータパターンを捉える能力に優れており、生体信号のようなノイズの多いデータに対しても有効です。

機械学習モデルのトレーニングには、非常に大量のデータが必要であり、そのデータの質と量がモデルの予測精度に直接影響を及ぼします。データが不十分であるか、あるいはその質が低い場合、モデルの学習プロセスが不完全となり、結果として正確な予測が困難になります。そのため、高品質なデータの収集と管理が極めて重要となり、データの質を維持するための厳密なプロトコルや、自動化されたデータ処理技術の開発が不可欠です。

また、リアルタイムでのデータ処理を実現するためには、強力なハードウェアリソースが必要であり、並列処理技術の導入が求められます。さらに、処理速度を向上させるためのアルゴリズムの最適化も重要であり、これによりリアルタイムでの高精度な予測が可能となります。

3.3 予測の実装と評価

構築したモデルを用いて、身体操作や運動情報の予測を行います。この予測においては、精度の高いモデルを構築することが重要であり、そのためにさまざまな評価指標が用いられます。たとえば、混同行列やROC曲線が一般的に使用されます。混同行列は、モデルがどれだけ正確に予測を行っているかを確認するための表であり、実際の値と予測値の関係を示します。具体的には、正しく予測された場合と誤って予測された場合の数を整理して視覚化することで、モデルの強みや弱みを把握することができます。一方、ROC曲線は、モデルの性能をより総合的に評価するためのグラフです。この曲線は、真陽性率と偽陽性率の関係を描くことで、モデルがどのように異なる閾値での予測を処理するかを示します。これらの評価結果に基づいて、モデルの改善を行うことが求められます。具体的には、ハイパーパラメータの微調整やモデルの再トレーニングを行い、最適な予測精度を達成するための努力が続けられます。また、異なるアルゴリズムを比較し、それぞれの特徴を理解した上で最も適したモデルを選定することも重要なステップです。このようにして、モデルの予測精度を最大限に引き上げることが目指されます。

さらに、生体情報の分析を用いたAI技術は、医療やリハビリテーション、スポーツなど、幅広い分野での応用が期待されています。また、生体情報を活用したAIの可能性は非常に大きく、これからも多くの分野でその応用が進んでいくことが予想されます。

4. 生体情報の応用事例

4.1 医療分野

脳波は、医療分野で広く応用されています。 脳波解析による睡眠の質の評価を通じ、睡眠障害の診断や治療に役立てます。例えば、脳波データを用いて睡眠ステージを識別し、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの治療を行います。 てんかんの診断では、脳波記録によって発作の兆候や発作中の脳活動を観察し、より正確な診断と適切な治療法の選択が可能です。

4.2 リハビリテーション

筋電位や脳波を利用したリハビリテーションは、神経筋疾患や脳卒中の患者に有用です。これらの技術は、患者の筋活動や脳活動をリアルタイムでモニタリングし、適切なリハビリテーションプログラムを提供します。 筋電位を利用したリハビリ技術の例として、バイオフィードバック装置(体の動きを画面で見ながらトレーニングできる装置)があります。バイオフィードバック装置を用いることで、患者が自身の筋肉の活動を視覚的に確認しながらトレーニングすることができます。 脳波を利用したリハビリ技術の例として、脳の神経回路の再構築を促進するトレーニングプログラムがあります。このトレーニングプログラムは脳が新しい神経回路を形成することを助け、脳の機能回復を図ることができます。 筋電位や脳波の応用例として、ロボットアシストリハビリテーション(ロボットアームや、筋肉の動きを補助する装置を用いたリハビリテーション)やバーチャルリアリティ(VR)を用いたトレーニングがあります。ロボットアシストリハビリテーションでは、VRでは、仮想環境でのトレーニングを通じて多様な運動シナリオを提供し、リハビリテーションの効果を高めます。これらの技術は、リハビリ効果を大幅に向上させ、回復期間を短縮することが示されています。

4.3 義肢・機器の操作

筋電位を利用した義肢は、残存する筋肉の信号を検出し、ユーザーの意図する動作を正確に再現します。脳波を利用した義肢では、ユーザーが考えるだけで義肢を操作することが可能です。これにより、ユーザーは自然な動作が行え、日常生活での利便性が大幅に向上します。 未来の展望としては、さらに高度なAI技術の導入や感覚フィードバック機能の追加が期待されています。これにより、義肢の操作性がさらに向上し、より多くのユーザーにとって有用なツールとなるでしょう。また、AI技術の進展に伴い、義肢のコストが低減されることも期待されています。

脳波を用いたブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)では、脳波を利用してコンピュータや機器を制御します。これにより、四肢麻痺の患者が脳波を使ってコンピュータを操作したり、車椅子を動かしたりすることができます。

4.4 スポーツ医学

筋電位や脳波を用いたAI技術は、スポーツ分野においても応用されています。

代表的な応用領域として、トレーニングの効率化があります。アスリートの筋活動をリアルタイムで解析し、効率的なトレーニングプランを提供します。例えば、ランナーの筋電位を分析することで、走り方の改善点を見つけ、パフォーマンスを向上させることができます。

また、筋電位や脳波は、アスリートの怪我の予防やメンタルトレーニングに応用することもできます。脳波を利用してアスリートの集中力やメンタル状態をモニタリングし、メンタルトレーニングプログラムを開発します。これにより、パフォーマンス向上や怪我の予防にも役立っています。

4.5 エンターテイメント

エンターテイメント分野では、脳波を利用したゲームやインタラクティブなアートが開発されています。これらの技術は、ユーザーの脳波をリアルタイムで解析し、そのデータに基づいてゲームを進行させたりアート作品を変化させたりします。これにより、一人ひとりのユーザーに合わせたエンターテイメントを提供することができます。

5. 生体情報利用に関する倫理的な課題

生体情報の収集と利用には、プライバシーや倫理的な問題が伴います。個人の生体情報を利用する際には、適切なデータ保護とプライバシー管理が不可欠です。具体的には、データの匿名化や暗号化、アクセス制御などのセキュリティ対策を講じる必要があります。また、生体情報の収集と利用に関する透明性を確保し、データの使用目的や保管方法について明確に説明することが重要です。

さらに、AI技術が誤った判断をする可能性を最小限に抑えるためには、倫理的ガイドラインや規制が求められます。医療分野での誤診や義肢の誤作動による事故などのリスクを軽減するために、技術の厳格な検証と評価が不可欠です。これには、独立した第三者機関による監査や倫理審査委員会の設置が含まれます。加えて、ユーザーに対して技術の限界やリスクについて適切な情報提供を行うことも重要です。

これらの課題を解決するためには、技術の進歩に伴う社会的な枠組みの整備が必要です。生体情報の取り扱いに関する法規制の強化や国際的な基準の策定、倫理的な問題に対処するための教育や啓発活動も求められます。これにより、技術の進展が社会全体にとって有益で、安全かつ効果的に利用されることが期待されます。

6. 未来の展望

6.1 技術の発展方向

生体情報を利用したAI技術は、より高精度で信頼性の高いモデルの開発が進むと予測されます。ディープラーニングを超える新しい機械学習アルゴリズムや、生体情報を総合的に解析する技術の進歩により、予測精度が向上するでしょう。今後は、より複雑なパターンや長期的な関係を学習できるアルゴリズムが登場することが期待されています。

リアルタイムでのデータ処理能力も向上し、より迅速で効率的なシステムが実現されるでしょう。これには、量子コンピュータやエッジコンピューティングなどの新技術の導入が含まれます。量子コンピュータは、従来のコンピュータでは解決が難しい複雑な問題を高速に処理でき、生体情報のリアルタイム解析に革新をもたらす可能性があります。エッジコンピューティングは、データを生成する場所の近くで処理する技術で、リアルタイム性を高め、データの遅延や通信の問題を解決します。

また、バイオセンサー技術も進化すると考えられます。より高感度で多機能なセンサーの開発が進むことで、より詳細な生体情報を取得し、AIモデルの学習が進んでいくことが期待されます。

6.2 社会への影響と可能性

生体情報を活用したAI技術の進展により、リハビリテーション、義肢操作、スポーツトレーニングなど様々な分野で大きな変革が期待されています。

リハビリテーションでは、患者の状態に応じたプログラムが提供されることで、より高い効果が期待できます。AIは患者の進捗をリアルタイムでモニタリングし、適切なトレーニング内容を自動で調整するため、リハビリの効果を最大化します。

義肢操作においては、ユーザーの筋電位や脳波を解析し、意図する動作を正確に再現することで、より自然で直感的な操作が可能になり、義肢利用者の生活の質が向上します。また、感覚フィードバック機能が追加されることで、ユーザーは義肢を自身の一部として感じることができるようになります。

スポーツトレーニングの分野でも、AI技術はアスリートのパフォーマンス向上に貢献します。AIがリアルタイムでアスリートの生体情報を解析し、最適なトレーニングプランを提供することで、効率的なトレーニングが可能になります。また、怪我の予防やリハビリテーションの支援にも役立ちます。脳波を用いたメンタルトレーニング技術は、アスリートの集中力やメンタル状態を最適化し、大会でのパフォーマンス向上に寄与します。

さらに、新しいエンターテインメントや教育・訓練の分野でも生体情報の応用が進むことで、より豊かな社会が実現される可能性があります。例えば、脳波を利用したインタラクティブなゲームやアート作品は、ユーザーの精神状態に応じた体験を提供し、より個人的で没入感のあるエンターテインメントを実現します。教育分野では、生体情報を活用した学習支援システムが登場し、個々の学習者に合わせた効果的な指導が行われるでしょう。

このように、生体情報を活用したAI技術の進展は、多くの分野で大きな変革をもたらし、私たちの生活をより豊かで便利にする可能性を秘めています。技術の進化とともに、倫理的な課題やプライバシーの保護にも十分な注意を払いながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組むことが求められます。

7. 備考:生体信号データ取得にまつわる課題

生体信号データの取得に関して、特に被験者の少なさは大きな課題となっています。生体信号は個人差が大きく、データの信頼性や汎用性を確保するためには、多くの被験者から多様なデータを収集することが理想的です。しかし、実際には被験者を集めることが難しいため、データの偏りや不十分なサンプルサイズが問題となりがちです。

生体信号データの取得には、大きく2つのハードルがあります。1つは、データを取得する際に高度な機器や専門知識が必要であるという課題です。このため、生体信号データの取得を担当できる検査機関が限定されるため、生体信号データの大量収集が難しくなっています。もう1つは被験者にとって時間的・身体的な負担が伴うという課題です。この負担が被験者の参加意欲を低下させ、結果としてデータの収集が困難になります。また、特定の条件や病態を持つ被験者を集める場合、対象者の数がさらに限られ、取得データがその特定条件や病態を正確に表現できているかというデータの代表性に欠ける可能性があります。

また、長期間にわたる追跡調査が必要な場合もあり、被験者の継続的な協力を得る必要があるため、よりデータ収集が難しくなります。被験者の数が少ない場合、収集されたデータが少数の被験者に依存し、外部環境や個々のバイアスの影響を受けやすくなるという懸念があります。

このように、被験者の少なさは生体信号データの取得における大きな制約となっており、研究の精度や信頼性に影響を与える要因となっています。

更に本コンテストのテーマである、スケートボード等の全身運動を伴う運動強度の強い状態における生体信号データ自体が非常に珍しく、また左記状況を仮定したコンテスト自体が確認する限り例がございません。

このため、本コンテストでは上記のようなデータ取得の課題を鑑み、下記に例示するような他のオープンかつ無料で利用可能な外部の生体信号データの利用を可能としております。外部のデータも上手く活用して、より高精度のモデル作成に挑戦してみてください。

Human connectome project: https://www.humanconnectome.org

Multi-dimensional sampling of individual brains (MULDS): https://bicr-resource.atr.jp/mulds

HMS - Harmful Brain Activity Classification: https://www.kaggle.com/competitions/hms-harmful-brain-activity-classification

Child Mind Institute - Detect Sleep States: https://www.kaggle.com/competitions/child-mind-institute-detect-sleep-states

8. 参考資料

下記の資料も参考にしつつコンテストに取り組んでいただくと、より理解が進むかと思います。

Brain Tech Guidebook ブレイン・テックのいまを知ろう: https://brains.link/braintech_guidebook

Artifact Removal in Physiological Signals—Practices and Possibilities: https://doi.org/10.1109/TITB.2012.2188536

Removing electroencephalographic artifacts by blind source separation: https://doi.org/10.1111/1469-8986.3720163

Removal of ocular artifacts in EEG—An improved approach combining DWT and ANC for portable applications: https://doi.org/10.1109/JBHI.2013.2253614

A review of myoelectric control for prosthetic hand manipulation: https://doi.org/10.3390/biomimetics8030328

Shredding artifacts: extracting brain activity in EEG from extreme artifacts during skateboarding using ASR and ICA: https://doi.org/10.3389/fnrgo.2024.1358660

Automatic Eyeblink and Muscular Artifact Detection and Removal From EEG Signals Using k-Nearest Neighbor Classifier and Long Short-Term Memory Networks: https://doi.org/10.1109/JSEN.2023.3237383

ICA With CWT and k-means for Eye-Blink Artifact Removal From Fewer Channel EEG. IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering: https://doi.org/10.1109/TNSRE.2022.3176575

Open Source Initiative-approved license(www.opensource.org)の下で、付与するライセンスを自由に選択可能です。参考までに、代表的なオープンソースライセンスの比較表を掲載します。

ラインセンス 必須 許可 禁止
Apache License 2.0 (Apache-2.0) 著作権の表示、変更箇所の明示 商用利用、修正、配布、サブライセンス、特許許可 トレードマークの使用、責任免除
BSD License: See 3-clause BSD License and 2-clause BSD License 著作権の表示 商用利用、修正、配布、サブライセンス 責任免除、トレードマークの使用
GNU General Public License version 3 (GPL-3.0) 著作権の表示、変更箇所の明示、ソースの明示 商用利用、修正、配布、特許許可 責任免除、サブライセンス
MIT License (MIT) 著作権の表示 商用利用、修正、配布、サブライセンス 責任免除


部門 スケートボードトリック分類チャレンジ スケートボーダー重心位置予測チャレンジ
入賞候補者 kyo99999 様, Kot 様, kawagami3 様, kimpar 様, R-ter 様, DashimakiTamago 様, s kimura 様, WYSHR 様, ponpopon 様, k.ai 様, k.otsuki 様, ishikawa 様, M0678 様, t-tsue 様, eiichi.tanaka 様, ちた 様 kimpar 様, satokato 様, DT-SN 様, rmizuta 様, kmn 様
特別賞候補者 - Voodoo 様, I.Hiroaki 様, TEtsu 様, taichan 様, Y.Omae 様, MKS 様, R.sato 様, XS 330 様, tail-island 様
※入賞候補者・特別賞候補者につきましては、検収の結果残念ながら入賞に至らない可能性がある旨、ご承知おきいただけますと幸いです。

Disclosure policy

As a general rule, in accordance with Article 4, Paragraph 1 of the terms of participation, diclosing any contents such as insights and deliverables transmitted through the information or data provided by our company in relation to this competition is not permitted, however, only after the completion of this competition and for non-commercial purposes, it will be possible to disclose the contents within the score of the table below
Model *1
Public
Analysis results *2
Public
Public : Posting to social media sites, blogs and source repositories, and citing to papers
Restricted : Using in a limited range from research, education to seminars, where many unspecified people cannot access
*1 Execution unit source code and learned models
*2 The insights obtained using the information and data provided, or the solutions including scripts and processed data such as summary statistics

懸賞金額と申請コスト

Q:成果の創出に要したコストの申告について、人件費等の計上はどうすればよいですか?
A:人件費等の計上については、応募者の所属団体における計上基準に準ずる概算でかまいません。


Q:成果の創出に要したコストの申告について、PCなどを計上できますか?
A:必要である装置・設備等の費用も計上可能です。


Q:経費のエビデンスはどのような書類を提出すればよいですか?
A:エビデンスの提出は不要です。


Q:社内で類似したシーズ開発を実施するため、経費の切り分けが難しいです。どの範囲まで経費とみなせばよいですか?
A:どこまでのコストを含めるか、作成開始をどこまで遡るかは、応募者の判断に委ねます。


Q:経費をどのように計上すればよいでしょうか?具体例を教えてください
A:コンテストにて実際に発生した金額を計上してください。
 人件費は、任意で単価を設定いただいて構いません。以下の参考例では時給を2,000円として記載しておりますが、これにこだわる必要はございません。
 また、時間数については課題に取り組んだ時間だけでなく、課題に取り組むための環境整備や知識等の取得に要した時間も含んで構いません。
 一例として人件費、交通費、PC購入費、クラウド利用費、参考書籍購入費等が発生した場合は以下のようなものとなります。なお、以下に示したもの以外でも課題に要した費用があれば計上いただいて構いません。

<参考例>
人件費:360,000円(時給2,000円×180時間)
交通費:50,000円
PC購入費:300,000円
PC周辺機器(マウス、キーボード等):50,000円
クラウド利用費:50,000円
通信費(ネット環境など):20,000円
参考書籍購入費:50,000円
備品費(机・椅子等):150,000円
合計:1,030,000円

スケートボーダー重心位置予測チャレンジ

Q:筋電位計データの単位について教えていただけますか?
A:筋電位計データの単位はボルト(V)となります。


Q:筋電位計データのX軸方向が必ずしもLED側-LED逆側の方向ではないというのはなぜですか?
A:測定機器を測定毎に校正を掛けている関係上、必ずしもX軸とスケートボードランプ長辺(LED側-LED逆側)が並行・直交していない旨、ご承知おきください。


▼本コンペティションにおける特別規約
下記規約の第3条(懸賞及び権利の帰属)において、最終審査用提出物にオープンソースライセンスを付与いただくか否かを選択していただきます。 当ライセンスにおいては、モデル、ソースコードおよびソースコードに付随する成果物の商業的利用を何ら制限しません。なお、当ライセンスを付与いただけない場合は、コンペティションへの参加は可能ですが、入賞資格を得ることはできません。
また、本コンペティションでは、依頼主である国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「ホスト」といいます。)による投稿物の審査・投稿者への事務連絡・投稿者を識別特定できない形態に加工した統計データ作成のため、予測結果を提出された方全てに個人情報を提供いただきます。提出された個人情報は、株式会社SIGNATEからホストに提供され、ホストまたは株式会社SIGNATEから参加者に対して、コンタクトがなされる場合があります。
なお、ご回答いただいた内容は、ホストのプライバシーポリシー、及び株式会社SIGNATEのプライバシーポリシーに従って厳重に取り扱います。また、個人情報を提供いただけない場合は、入賞資格を得ることはできません。



Terms of Participation in SIGNATE Competition

In order to participate in the Competition, you are required to agree to these Terms, in addition to the Terms of Use of SIGNATE.JP Site (hereinafter referred to as the “Terms of Use”). You should participate in the Competition after reading carefully and agreeing to these Terms. These Terms, the matters that are displayed as “additional matters” that you have agreed to when participating in a Competition, the Terms of Use and other terms and conditions that you have agreed to (hereinafter collectively referred to as “these Terms, etc.”) shall all be binding on the Participant.


Article 1 Definitions

1. For the purpose of these Terms, the following terms shall be defined as follows:

(1) “Site” means the website “SIGNATE (https://signate.jp)” on which the Competitions are posted.
(2) “Competition” means any competition on AI development or data analysis on the Site as held by the Host.
(3) “Host” is the host(s) of the Competition. The Host may be SIGNATE, Inc. (hereinafter referred to as the “Company”) or the Company’s client companies, affiliated companies, schools or organizations, etc. (hereinafter referred to as the “Client(s)”).
(4) “Participant(s)” means the member(s) (which mean “member(s)” defined in the Terms of Use, and the same shall apply hereinafter) who participate in a Competition.
(5) “Submissions” means, collectively, the analysis and prediction results, prediction models and reports, etc. as submitted in the Competition.
(6) “Final Submissions” means the Submissions submitted by a Participant that the Participant has specified as a final submission on the prescribed page in the Site by the time of completion of a Competition.
(7) “Winner Candidate” means the Participant who has received a notice from the Company that he/she is nominated as a winner candidate.
(8) “Submissions for Final Judgment” means the Submissions and other items designated by the Company as submitted by a Winner Candidate pursuant to the instructions of the Company.
(9) “Final Judgment” means the acceptance inspection and judgment, including reproducibility verification, by the Company for the Final Submissions and Submissions for Final Judgment of a Winner Candidate.
(10) “Winner” means the Winner Candidate who is informed by the Company that he/she has won a prize.
(11) “OSS” means software licensed based on OSS License Terms.
(12) “OSS License Terms” means any of the following license terms
(1) Either the GNU General Public License or the GNU Lesser General Public License published by the Free Software Foundation, Inc.;
(2) License terms listed at www.opensource.org/licenses/ or derivatives thereof;
(3) License terms that regard the software as “free software” or “open source software”; and
(4) License terms or agreements similar to the license terms listed in each of the three preceding items which request the user to disclose, distribute or license to a third party, or not to exercise, etc., the licensed software, its derivatives and the intellectual property rights associated therewith in whole or in part.

Article 2 Competition

1. A member who desires to participate in a Competition shall be required to agree to these Terms, etc. and to satisfy the conditions for participation as specified in each such Competition. Any person who is not a member shall not participate in any Competition.
2. Participants shall participate in each Competition in the manner as advised by the Company and shall be obligated to comply with the rules as prescribed in each Competition.
3. Participants may submit the Submissions for the assignment of a Competition during the period of such Competition and submit as many proposals on the method of solving the problem as specified by the Company to the Host by the end of the period of the said Competition.
4. Participants may submit Submissions in the form specified in the Competition and specify those Submissions as a Final Submission on the prescribed page in the Site by the end time specified by the said Competition.
5. Participants’ Final Submissions shall be evaluated in accordance with the evaluation method specified in the Competition and the final ranking shall be determined based on such evaluation.
6. Participants may, as a general rule, check their own evaluation results and the evaluation results of each of the other Participants for Submissions that may be evaluated quantitatively on the Site.
7. Participants shall be solely liable for their own Submissions, including the legality and non-infringement of the Submission.
8. Participants shall not submit any Submissions that have no direct relationship to each Competition.
9. Unless otherwise provided for, Participants may not directly communicate to, consult with, make a request to, solicit or take any other actions with the Host in respect of the matters related to a Competition during the period of the said Competition.
10. Participants shall direct any questions or concerns regarding any Competition to the Company or the third party designated by the Company in accordance with the procedures prescribed by the Company as posted on the Site.
11. Participants shall produce Submissions in compliance with the OSS License Terms related to the OSS when using or incorporating OSS in a Submission. However, Participants shall not use or incorporate OSS for which commercial use is prohibited in a Submission.
12. The Host shall not be obligated to pay any remuneration or other consideration for any act of the Participants in a Competition under any pretext. And the Company shall not be obligated to pay any remuneration or other consideration other than those prescribed in the following Article for any act of the Participants in a Competition.

Article 3 Reward and Vesting of Rights

1. Unless otherwise provided for, any Participant shall satisfy the requirements set forth in the following items in order to be entitled to receive a reward in any Competition that offers a reward:

(1) To be a winner;
(2) To agree to transfer to the Host and the relevant transferee of rights in such Competition all transferable rights, such as copyrights (including the rights as prescribed in Article 27 and Article 28 of the Copyright Act, and the same shall apply hereinafter), rights to obtain patents and know-how, etc. in and to all analysis and prediction results, prediction models, reports, etc., written explanations on algorithms, source code and reproduction method, etc. (although not limited to these), and the Submissions contained in the Final Submissions and Submissions for Final Judgment (hereinafter referred to as the “Rights”) along with a guarantee that the Participant has the authority to transfer such Rights;
(3) To guarantee that any relevant transferee of rights may use the Rights contained in the Final Submissions and Submissions for Final Judgment for its own business and other purpose without any restriction and to agree to their exclusive use of such Rights;
(4) To agree not to exercise moral rights to the Rights against the relevant transferee of rights;
(5) To enter into an agreement for the transfer of the Rights with the relevant eligible transferee of rights, including the guarantee of and agreement to the matters in the preceding three (3) items and other reasonable provisions;
(6) To have the personal identity of such Participant verified by the Company; and
(7) Not to breach any provision of these Terms, etc.

2. Any Winner Candidate shall, after having received a notice from the Company that he/she is nominated as a winner candidate, submit the Submissions for Final Judgment on or before the designated date and communicate the matters requiring confirmation or response in relation to the Final Submissions and the Submissions for Final Judgment to the Company on or before the designated date, in accordance with the instructions of the Company. The Company shall carry out the final judgment based on such matters requiring confirmation or response. If the Company receives no confirmation or response satisfactory to the Company on or before the designated date, the Company may exclude such Winner Candidate from the subject of the final judgment and the Winner Candidate shall not raise any objection thereto.
3. If the Company considers that the Final Submissions or Submissions for Final Judgment need to be amended or modified, or there occur any additional matters requiring confirmation, in the course of the final judgment, any Winner Candidate shall take action or make response in relation to the matters that require amendment or modification, or the matters requiring confirmation, on or before the designated date in accordance with the instructions of the Company. If the Company receives no action or response satisfactory to the Company on or before the designated date, the Company may exclude such Winner Candidate from the final judgment and the Winner Candidate shall not raise any objection thereto.
4. The Company shall determine the Winner through the final judgment and inform the Winner to that effect.

Article 4 Confidentiality

1. Any Participant shall treat any information and data that they receive from the Company in relation to Competitions as well as knowledge and products, etc. obtained using such information and data (including Participant Submissions; hereinafter referred to as the “Company-Provided Information”) as confidential information and shall not disclose the same to any third party and use the same for any purpose other than for such Competition and purpose specified by the Company separately; provided, however, that the confidential information shall not include any information that falls under any of the following items:

(1) Information that is known to the public at the time it was received;
(2) Information that is already possessed by the Participant at the time it was received (only in the case where such Participant may demonstrate such fact by reasonable means);
(3) Information that becomes known to the public without the fault of the Participant after it was received;
(4) Information that is independently developed by the Participant without reference to any information received; or
(5) Information that is rightfully received from any third party having a right to disclose such information without the obligations of confidentiality (only in the case where such Participant may demonstrate such fact by reasonable means).

2. Any Winner shall handle his/her Final Submissions and Submissions for Final Judgment in the same manner as Company-Provided Information after receiving notification that they are a winner. And Participant Submissions other than the Winner’s Final Submissions and Submissions for Final Judgment shall not be included as Company-Provided Information after the Company has determined the Winner notwithstanding the provisions of the preceding paragraph.
3. Any Participant may publish any algorithms that they have developed as well as any other materials they have created in connection with their participation in a Competition (including Final Submissions and Submissions for Final Judgment) after that Competition in accordance with the Competition Information Disclosure Policy (hereinafter, "Information Disclosure Policy") posted on the Site. However, Participants shall observe the following matters when publishing information and may not publish any materials prohibited by the Information Disclosure Policy:

(1) Clarify that the materials were created in connection with participation in the Competition;
(2) Give credit in accordance with the notation method prescribed in the Information Disclosure Policy when the materials to be published contain part of a dataset; and
(3) Clarify the location accessible to all Participants (including but not limited to the Competition forum and other locations designated by the Company) where the materials are published (including links, etc.) if publishing materials outside the Competition forum.

4. Any Participant shall delete or return to the Company the Company-Provided Information (excluding the information prescribed in paragraph 3) immediately after the completion of a Competition.
5. If there is any separate arrangement in relation to the confidential information in a Competition, the provisions of such arrangement shall prevail over the provisions of these Terms.
6. If any dispute occurs between a third party and the Host or the Company due to the breach by any Participant of the provisions of this Article and such other party makes any claim against the Company or the Host, such Participant shall compensate for any damage, loss, expenses (including, but not limited to, attorneys’ fees), lost profits and lost revenues, etc. incurred by the Company and the Host.
7. The provisions of this Article shall survive the termination of the relevant Competition or the Participant’s completion of the procedures for withdrawal from all services provided by the Company, with respect to the Company-Provided Information and the Winner’s Final Submissions and Submissions for Final Judgment for a period of five (5) years thereafter.

Article 5 Prohibited Acts of Participants

1. The Company shall prohibit Participants from engaging in any of the following acts in any Competition:

(1) An act of cracking, cheating, spoofing and other misconduct;
(2) An act of redistributing data files included in the dataset;
(3) An act of directly communicating to, consulting with, making a request to, soliciting or responding to solicitation or other activities to other Participants or the Host (other than the Company) without the involvement of the Company for the purpose of furthering the Participant’s own interests;
(4) Any profitmaking activities using the Competition (including but not limited to solicitation or scouting activities, and use for a third party in educational business, etc.) without the prior approval of the Company in writing or any other manner specified by the Company;
(5) An Act of transferring, offering as collateral or otherwise disposing of the Participants’ standing, or the rights or obligations, as a Participant in any Competition (except with the prior written consent of the Company);
(6) Acts that infringe upon the intellectual property rights, trade secrets or any other rights of third parties; and
(7) Any other act in breach of these Terms, etc.

2. If the Company deems that a Participant has engaged in, or may engage in, any of the prohibited acts as prescribed in the preceding paragraph, the Company may, without prior notice to the Participant, disqualify the Participant from the Competition in which the Participant participates, temporarily suspend the Participant from using some or all of the services provided by the Company, withdraw the Participant’s membership, claim damages from the Participant or take any other measures deemed necessary by the Company.

Article 6 Modification of Terms

1. The Company may modify, add or delete any provisions of these Terms from time to time without the approval of Participants.

July 25, 2024