お知らせ
[2023/07/25] 人工知能学会で行われた入賞者プレゼンの動画を公開いたしました。https://www.youtube.com/watch?v=8zPjm9xVWzE
[2023/06/26] 入賞者レポートを公開しました。
[2023/04/10] データタブの「画像データリンク(image_data.txt)」に記載のリンク先で公開している、衛星画像などのラスターデータのid.tifにバグが見つかりました。2023/04/08以前にダウンロードされた方は、まことにお手数ですが、今一度、id.tifのダウンロードをし、こちらのデータのご使用をお願いいたします。
[2023/02/21] 追加データの衛生画像を公開いたしました。データタブの「画像データリンク(image_data.txt)」に記載のリンク先よりデータをダウンロードください。
[2023/02/01] キックオフイベントの録画を公開いたしました。本コンペの目的や課題についての解説もありますので、参加者の方や参加を迷われている方も皆様是非一度ご覧ください。
▼動画はこちら
(1)生物多様性ビックデータに基づいたネイチャーの可視化
(2)コンペ課題、テーマについての説明
[2023/01/31] 配布データ「特徴量の説明(feature_description.xlsx)」を修正いたしました。お手数ですが再度ダウンロードしてご活用ください。
コンペ趣意
気候変動問題の解決策の一つとして、沿岸域の海草藻場を再生して炭素を貯留するブルーカーボンが注目されています。海草や藻類が光合成をして成長する過程で、海中に炭素が固定されるので、海草藻場再生が温暖化対策に貢献するという考え方です。ビジネスの世界では、企業が排出した炭素をオフセットする目的で、ブルーカーボンによる炭素取引が活発になりつつあります。しかし、海草藻場を人工的に再生するのは技術的に困難である上に、実際の再生事業は自然のメカニズムを十分に考慮できていないことが指摘されています。さらに、海草藻場における炭素の長期貯蔵の効果も必ずしも担保されている訳ではありません。例えば、沿岸域のマングローブ、海草藻場、干潟湿地などのブルーカーボンを利用した炭素隔離・貯留は不確実で信頼性が低く、気候変動に対する費用対効果に疑問符がつき、過剰なクレジットをもたらすことが懸念されています。
特に日本の場合、台風や河川からの土砂の流入などで、大規模な撹乱が起こりやすく、沿岸域の海草藻場、特に内湾の堆積環境に成立するアマモ場は、時間的・空間的な変動性がとても大きいのです。したがって、生態学的に不適切な場所で自然再生事業を行っても、人工的な海草藻場は、頻繁な自然攪乱で消失するリスクがあります。実効性のあるブルーカーボン事業を推進するためには、実際の海草藻場の空間的な分布の成り立ちを把握し、海草藻場生態系の時間的な変動の仕組みを理解する必要があります。
自然界では、海草藻場がどのような場所に成立し、どれくらいの時間スケールで成長したり消失したりしているのでしょうか。これらの問いへの科学的な解答こそが、ブルーカーボン事業を成功させる鍵になります。このような背景とモチベーションから、Ocean180プロジェクトは、海洋生物多様性に関する膨大なデータを整備し、それにより海の生物多様性の時空間の変化を把握し、将来のリスクを予測できるようにするための研究開発を行っています。本コンペティションでは蓄積したデータの一部を利用して、生物多様性に関連する予測タスクに挑んでいただきます。これをきっかけに一人でも多くの人工知能、データサイエンスの研究者の皆さんが生物多様性の課題に関心を持ち、問題の解決に寄与していただくことを期待しています。
Ocean180プロジェクトは、文部科学省「海洋生物ビッグデータ活用技術高度化」の正規課題「海洋生物多様性ビッグデータ汎用化の基盤技術と海の豊かさを守る応用技術の開発」を実施する研究プロジェクトです(代表:琉球大学理学部久保田康裕教授)。
課題
沖縄県全域を対象として、ブルーカーボンの重要な指標となる海草藻場の被度(一定面積の地表面や海底面を覆う割合)を、環境変数や衛星画像をもとに推定する機械学習モデルを開発していただきます。訓練データとして、沖縄県の様々な場所・年代・時期に調査された海草藻場の被度と様々な環境変数や衛星画像が与えられます。その訓練データを用いて機械学習モデルを学習し、訓練データとは空間的に異なる領域のテストデータに対する海草藻場の被度の予測精度を競っていただきます。参加条件
3位までに入賞した場合、2023年6月6~9日に熊本城ホールで行われる人工知能学会全国大会の本コンペが企画するセッションで登壇発表できること。※大会参加費・交通費・宿泊費に充てていただくために1チーム10万円を提供いたします。
お問い合わせ
本コンペへの質問・お問い合わせは、人工知能・ソフトウェア技術研究センターが対応致しますので、本コンペのフォーラムにてお問い合わせ下さい。追加データ(2月21日から提供開始)
沖縄県全域(大東島を除く)における、島周辺の藻場が生育する浅海域の20m分解能の衛星・環境要因の特徴量を含めたラスター画像を提供します(下記左図)。海草藻場の被度の情報がないものの、島周辺の特徴量が網羅的に得られるため、ラベルなしデータとしての活用が期待できます。さらに、沖縄県の島周辺を切り出した20mもしくは30m分解能のマルチバンド衛星画像データも提供します(下記右図)。
本コンペで使用するAI開発用の教師データは、海草藻場に関するデータ及び、海洋環境に関する様々な一次データを加工(クリーニング・標準化・強化)した、2次的データ(著作物)です。