現場で使われてナンボ。「経験と勘」との融合

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
経営戦略本部 & 経営戦略部マネージャー 勝又様
“豆腐コンペ”とtwitterで呼ばれていた「Save the 豆腐!~豆腐はおぼろなれども予測は明快たるべし~」コンペティションにて DeepAnalytics(現・SIGNATE)をご利用いただいた、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社様にインタビューをしました! DeepAnalytics(現・SIGNATE)をご利用いただいたきっかけとその感想や今回のコンペティションの狙いについて、 経営戦略本部 経営戦略部マネージャーの勝又様にお話をお伺いしました。

データを活用して経営課題を解決する

はじめにポッカサッポロの事業内容について教えてください。

勝又様: サッポログループにおける食品・飲料事業を担い、レモンやスープの製品を中心に、 食品や飲料に関わるビジネスを国内外で広く展開しています。 今回のコンペティションのお題となった豆腐は、新規事業として2015年2月から、 当社の関係会社である日本ビーンズ株式会社で製造販売を行っています。

データ分析を業務に活用する上で重要と感じられていることは何ですか?

勝又様: そもそもそこに分析すべきデータがあるかだと考えています。 もちろん、ただデータがあればすぐに活用できる訳ではなく、 分析結果が本当に経営的にインパクトをもたらすことができるのかという目利きが大切です。 今回の取り組みではデータを活用して経営課題を解決することがテーマでした。 データをどう利用し、どうやって経営課題を解決するのか?を考え、分析結果の効果が高いと考えられる事業として、豆腐に目を付けました。

データサイエンティストの必要性についてどうお考えですか?

勝又様: 最先端の技術を常に探求し、それを活用しているデータサイエンティストはデータ分析の肝であり、 彼らがいなければデータ分析は始まらないと考えています。 経営的課題を理解し、課題解決によるインパクトやデータ活用の具体的方法の両面を説明できる存在として、 データ分析と経営課題の橋渡しができるインタープリター(翻訳者)の役割は今後も必要不可欠と思います。 各社、必要性が高い一方で、その存在が極めて少ないのがやはり課題ですね。

面白いサービスだと思った

DeepAnalytics(現・SIGNATE)をご利用いただいたきっかけは何ですか?

勝又様: オープンイノベーションという考えが非常に面白いと思ったからです。 私たちが持っていないデータサイエンティストたちとDeepAnalytics(現・SIGNATE)を介して繋がることができるということは考えたこともありませんでした。 データを活用して経営課題を解決したいが、肝心のデータサイエンティストが弊社内にいないという弱点をこのサービスはぴったりと補うことができると感じました。

ピンときたらパッと動く

今回コンペティションを実施する上で大切にされていたことをお聞かせ下さい。

勝又様: DeepAnalytics(現・SIGNATE)のサービスの性質上、予測精度の良さが保証されておらず、失敗の可能性も考慮していました。 しかし、たとえば先進技術のひとつであるAI一つ見ても日々技術が発達しており、 半年経ったら全く異なるものとなっている可能性もあると感じていました。 そのため、ピンときたらパッと動くことを大切にしました。 長嶋茂雄みたいな感じですね(笑)。

社内での反響はどうでしたか?

勝又様: 得られたモデル(一部商品)がこれまでの予測精度を上回る結果が得られたことに、大変衝撃を受けました。 正直、現場で予測担当者が行っている予測を越えることはおろか、現場と等しい結果すら得られないのでは?というのが本心でしたが、 こうして、予想を上回る結果を得ることで、改めてデータサイエンスのパワーを感じました。 また、今回の取り組みから「データってこうやって活用できるのか」という先進事例になり、 社内から「うちにこういうデータあるけど何かできないの?」という声が出てくるようになりました。

現場で活用されてこそ生きるデータ分析

コンペティション開催後、得られたモデルはどうしていますか?

勝又様: 実際に豆腐の生産工場で利用しています。 現場で実際にモデルをチューニングできる仕様にしたことも大きいですね。 また、出てきたアルゴリズムからは現場からも新たな視点や気づきが得られたと聞いています。 ただのシミュレーションに終わらせず、現場で使える分析を行えるかどうかが肝だと感じていましたし、 実際に使用してそのモデルの本当の良し悪しを判断したいと考えていました。 今回のプロジェクトでは現場でいかに使えるものにするか、という点を強く意識しましたね。 現在は分析において得られたモデルと予測担当者の経験則との双方を生かして日々の生産量を決めています。

これだけのコンペティションを半年間でスムーズに実施できた

データサイエンスラボ(現・株式会社SIGNATE)と一緒に仕事をしていかがでしたか?

勝又様: わずか半年間で分析結果を現場での運用にこぎつけられたことに驚きました。 1ヵ月半という短いコンペティション期間だったにも関わらず、想像以上の良い成果が得られた事も非常に有意義でした。 コンペティションは大きなアクシデントもなくスムーズに進み、データサイエンスラボ(現・株式会社SIGNATE)の持つノウハウの存在を感じましたし、 プロフェッショナルさを感じました。 短期間でこれだけの結果が出るコンペティションを運営できるので、サービスレベルは高いと思います。 また、個人としても社内外、色々な方と知り合うことができ、またご協力も頂き、 弊社だけでなくデータサイエンスラボ(現・株式会社SIGNATE)さんともチームとして取り組んだからこその結果だと思っています。

集合知が一番強い

今後のDeepAnalytics(現・SIGNATE)に期待することを教えていただけますか?

勝又様: オープンイノベーションの強さ、凄さを改めて感じました。 今後は、様々な企業や国とDeepAnalytics(現・SIGNATE)が協働できるところをどんどん見つけ、 面白い技術を社会全体にどんどん広めていってほしいと思います。

本日は貴重なお話ありがとうございました。

担当者から一言

“豆腐”という、とても面白いテーマでコンペティションを実施頂いたポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社様。 コンペティション実施前のやり取りも非常に丁寧にご対応頂き、勝又様もおっしゃられているとおり、みんなで頑張ったから成功できたと感じています。 また、予想以上の精度を実現して頂いたユーザーの皆様の実力を再確認できたコンペティションでもありました。 今後もデータ活用し、益々のご発展をお祈りしております。